青井阿蘇神社(あおいあそじんじゃ)所在地:人吉市

青井阿蘇神社(あおいあそじんじゃ)所在地:人吉市

熊本県初であり、日本最南端国宝建造物である青井阿蘇神社。平成20年6月、九州の神社では大分県宇佐八幡宮本殿について2番目に指定されました。

大同元年(806年)に創建され、阿蘇神社のご祭神十二神のうち三神のご分霊が祀られ、中世以降は人吉城主相良氏の氏神となりました。現在の社殿は相良長毎によって慶長14年から18年にかけて造営されたものになり、まもなく400年を迎えようとしています。

このたび国宝の指定を受けたのは、本殿(ほんでん)・幣殿(へいでん)、拝殿(はいでん)のほか本殿と幣殿を結ぶ廊(ろう)、これらの前方に建つ楼門(ろうもん)です。

金具には文様が彫られ、急勾配のかやぶき屋根、雲龍など多くの彫刻や彩色が施され、人吉球磨の社寺建造物の特徴がうかがえます。

また、禅宗様式と桃山様式がみごとに調和された楼門の四隅には、陰陽一対の鬼面が彫り込まれ「人吉様式」と言われています。

司馬遼太郎の街道をゆくでも、他に残っている桃山風の建造物などよりもさらに桃山ぶりのエッセンスを感じさせる華やぎと豪宕さをもっているとして「桃山の楼門」を取り上げています。
毎年10月には、おくんち祭が行われ、多くの参拝者が訪れます。