くまもとの海は大きく3つの海域にわけられます。
閉鎖型の海域である有明海・八代海、そして天草西海です。
その中で、3ヶ所の水浴場が環境省選定の快水浴場百選に選ばれています。
有明海
有明海・八代海の干潟は、日本の干潟の約4割を占めています。
干潟は、砂や泥がたい積した場所で、内湾や入江など、外海の波の影響が少なく、河川からは砂や泥が流れ込む閉鎖的な海域です。引き潮時は陸となるため、底生生物が干潟に穴を掘ることで奥まで酸素が供給され、バクテリアが有機物を分解します。また満ち潮時は水質悪化の原因となるリン等を、プランクトンや魚介類が吸収するため、海水の水質浄化機能が高く、天然の浄水場となっています。
有明海には御輿来(おこしき)海岸と呼ばれる大変景観豊かな海岸線が続いています。ここは「日本の渚・百選」にも選ばれていて、干潮時には海岸線約10キロ、沖合約2キロにわたって見事な砂模様が浮かび上がってきます。
天草市(旧・天草郡有明町)にある四郎ケ浜ビーチは、閉鎖性の高い海域にもかかわらず快水浴場百選に選ばれています。
この海岸は人口白砂の海水浴場で、対岸には雲仙岳が望めます。隣接して道の駅(リップルランド)や温泉施設もあります。
八代海
八代海は別名不知火海と呼ばれ、旧暦8月1日前後に夜の海に多くの光がゆらめいて見える現象をおこす極めてまれな海です。
保護条例を制定し環境に大変力を入れている芦北町は、八代海に面しており、うたせ船が9枚の帆を風で膨らませた優美な姿で、海の上を颯爽と走る姿を堪能できます。このうたせ船は、海底の獲物を引き上げる底引き網漁法で、その漁法は古代の風景そのままなのです。
また、同じ芦北町にあるマリンパークビーチには、平成18年にウミガメが産卵にきました。ウミガメは自分が生まれたところを憶えていて、そこに帰って卵を産むと言われています。絶滅の可能性が高く、100匹の子カメから1匹か2匹しか成長しないと言われていますので、芦北町でもウミガメの保護に力を入れています。
天草西海
天草西海には、快水浴場百選に選ばれた2つの海水浴場があります。
その1つである天草市(旧・天草郡天草町)には白鶴浜海水浴場があります。白鶴が羽を広げている様子から「白鶴浜」という名がついたと言われています。天草雲仙国立公園の中にあり、1.3kmにおよぶ遠浅の海岸線が続き、抜群の透明度を持つ海が広がっています。白い浜と緑の松林のコントラストは大変美しく、また天草灘に沈みゆく夕日は格別です。
「日本の渚百選」、「日本の白砂青松百選」にも選ばれています。
天草市の隣には、苓北町の富岡海水浴場があります。
ビーチ内は波が穏やかで、海中では熱帯魚、海草類、珊瑚等が見られます。海沿いにある遊歩道はキャンプ場につながっており、沖合いには防波ブロックが設置されているので、安心して遊ぶこともできます。
また、天草地区にはそれ以外にも、キリシタンの黒崎津(日本の渚100選)や同地にある崎津天主堂(未来に残したい漁業漁村の歴史文化財百選)、また崎津天主堂と海(かおり風景100選)、五和の海のイルカ(日本の音風景百選)等多数の美しい景観を見ることができます。