キレイな水環境には健全な水循環が必要です

環境基本法第15条の規定に基づき平成18年4月に策定された第三次環境基本計画の「第2部第2章第1節 水環境の保全」においては、その施策の柱として「環境保全上健全な水循環の確保」が掲げられています。
つまり、キレイな水環境を保つには、健全な水循環の確保が必要となるのです。

健全な水循環とは?

健全な水循環とは
資料提供:熊本県環境生活部水環境課

地球上の水は、太陽のエネルギーを受け、海や陸から蒸発して雲となり、雨や雪となって再び地上に降り、地下水や河川等の流れとなって、やがて海へ戻っていくという循環を繰り返しています。
私たちはこの自然の大循環の中で、河川や池・湖沼、地下水などとして存在する水の一部を利用して生活を営んでいるのです。
この自然の大循環が適切なバランスの下に、ともに確保されている状態が「健全な水循環」です。
健全な水循環が実現し、水の浄化機能をはじめ自然の水循環の有する様々な機能が十分発揮され、水環境(水質、水量、水生生物、水辺地の保全)が良好に保たれます。

健全な水循環のための浄化槽の役割

川や海などの大きな汚染源は、生活排水といわれています。その生活排水をキレイにする処理施設として、浄化槽が重要な役割を果たしています。

浄化槽は生活排水の汚れを1/10に減らし、きれいな水に浄化し、排水路や河川へ戻すため、川の水量も確保されます。そのため河川の浄化機能・河川水量の維持機能の発揮を促しています。そして、健全な水循環の実現に貢献しています。
このように、浄化槽は水環境の保全に貢献する施設の一つなのです。

健全な水環境がもたらす恩恵とは、流域の特性に応じた水質、水量、水生生物等、水辺地を含む水環境が保全され、持続可能な利用が図られることを指します。

つまり、流域の特性に応じ、以下に掲げられるような状態の維持が重要になってくるのです。

水質

水環境・土壌環境において、人の健康の保護、生活環境の保全、さらには、水生生物等の保全の上で望ましい質が維持されること。

水量

平常時において、水質、水生生物等、水辺地の保全等を勘案した適切な水量が維持されること。土壌の保水・浸透機能が保たれ、適切な地下水位、豊かな湧水が維持されること。

水生生物

人と豊かで多様な水生生物等との共生がなされること。

水辺地

人と水とのふれあいの場となり、水質浄化の機能が発揮され、豊かで多様な水生生物等の生育・生息環境として保全されること。