くまもと湧水・名水

熊本市の湧水

熊本市内の健軍水源池にて水が沸いている様子(動画)です。
撮影日:2006/07/10

健軍水源池

熊本県は全国有数の地下水量をほこる県で、約80%の生活用水が地下水でまかなわれています。特に73万人弱を抱える熊本市では、100%生活用水を地下水に頼っており、熊本市の水道は大正13年の通水開始以来、水源のすべてに地下水が利用されています。現在、熊本市では1日平均23万立方メートルの地下水が使用されていますが、そのうち熊本市健軍水源池ではおよそ4分の1をまかなっています。
健軍水源池には11本の井戸があり、うち7本は自噴している井戸です。市内中心部近くにある江津湖は街中にあるにもかかわらず、その湧水により水環境が良好な為、ゲンジボタルを見ることができることから「ふるさといきものの里百選」にも選ばれています。

熊本市は、市内各地で多くの湧水が見ることができ、湧水は「地下水ののぞき窓」と言われています。

くまもと湧水マップ

※詳しくは、熊本市上下水道局または熊本市役所もご覧下さい。

熊本水遺産は、熊本市の水にかかわる自然・歴史・風習・人物・芸術など有形無形の資源を登録・顕彰することで、水資源保全に対する関心を高めること、熊本市の水生活文化を後世に継承していくこと、その魅力を内外に発信していくことを目的として実施しています。
市民から候補を募集し、熊本水遺産の定義に則り、かつ熊本水遺産委員会の審議を経て、現在60件が登録されています。

※詳しくは、熊本市の環境をご覧ください。

くまもとの名水

熊本県には環境省認定の名水百選に選ばれた水源が4つあります。宇土市・轟水源、南阿蘇村・白川水源、菊池市・菊池水源、産山村・池山水源です。
さらに環境省選定の「平成の名水百選」にもくまもとから4箇所選定されている。熊本市・水前寺江津湖湧水群、熊本市玉名市・金峰山湧水群、南阿蘇村・南阿蘇村湧水群、嘉島町・六嘉湧水群/浮島です。

くまもとの名水マップ

※詳しくは、水環境総合情報サイトをご覧ください。

菊池水源(菊池市)

菊池水源は、その名の通り菊池川の源流域で、菊池渓谷のことを指しています。
渓谷は標高500〜800mあり、阿蘇くじゅう国立公園内の尾ノ岳、鞍ヶ岳の西部に位置し、一帯は自然休養林に指定されています。

ここ菊池水源は、多数の滝や淵などがあり、「名水百選」以外にも「水源の森百選」や「日本の滝百選」、「森林浴の森百選」にも選ばれています。また菊池市はゲンジボタルの生息地として「ふるさといきものの里百選」にも選ばれています。

菊池水源

※詳しくは、菊池渓谷サイトをご覧ください。

 白川水源(南阿蘇村)

一級河川である白川の水源の一つになります。水温は年中14度で夏は冷たく冬は暖かです。水神を祀る吉見神社の境内に毎分60トンの勢いで、地中の砂と共に湧き出ています。水源の水は持ち帰ることも可能で、周囲には遊歩道も整備されていて、散策も楽しめるようになっています。
名水「白川水源」を言う名で、販売もされています。

轟水源(宇土市)

平野の、こんなところに!と言う場所に轟水源はあります。宇土市の中心部から2km程と近くにありながら、1日3000トンもの水を湧き出させています。水温は年間を通じ16度に保たれ、夏場でも冷たい水を飲むことができます。
この水源は、日本に現存する最古の上水道になります。
細川支藩二代細川行孝公が、松橋焼の土管を使用し、藩士の家まで上水道を通しました。それ以来、今なお100戸余りの人々が生活用水として利用しています。この水道の水源になっている轟水源は歴史的な価値も認められて「名水百選」に選定されています。

池山水源(産山村)

大野川の源流で水温は13.5度で毎分30トンという豊富な水が湧き出しています。一帯は、樹齢数百年の杉に囲まれ、2体の水神様が見守っています。湧水は大野川の源流で、遠く別府湾へ注いでいます。地域住民の飲料水として、また清涼飲料水の加工原水として利用されています。

ここからは、平成の名水百選になります。

水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、地域の生活に溶け込んでいる清澄な水の水環境のなかで、特に、地域住民等による主体的かつ持続的な水環境の保全活動が行われているものを、現在の「名水百選」(昭和の名水百選)に加え、「平成の名水百選」として選定されました。

水前寺江津湖湧水群(熊本市)

水前寺江津湖公園は、熊本市中心部から5キロメートルの所に、周囲6キロメートル、湖面積約50ヘクタールの広さをもつ公園です。熊本市の市街地ながら、約40万トンもの湧水があり、江津湖側の健軍水源地では前述したように熊本市民の4分の1の水をまかなっています。もともと豊富な水を有する湿地帯で下江津湖底から弥生時代の土器や石器が発見されています。この湿地帯に塘(江津塘)を気づき、現在の湖を築いたのは熊本城を築いた加藤清正です。江津湖も清正の治水・利水事業の成果の一つなのです。ここには多様な動植物が生息し、独特の生態系が形成されています。平成13年には希少種が生息する湖沼や湧水地の一つとして「重要湿地」に選定されました。

江津湖湧水
金峰山湧水群(熊本市・玉名市)

 熊本市の西、金峰山麓には沢山の湧水があります。その多くは熊本水遺産にもあげられているもので、神武天皇の皇孫、健磐龍命(たけいわたつのみこと)が手水に使ったことに由来するお手水(おちょうず)や樹齢600年以上というイチョウの根元から湧き出ている清水、鑪水(たたらみず)などがあります。また熊本市と玉名市の接するあたりに同じく金峰山を水源とする尾田丸池(おだのまるいけ)は、1日あたり約600トンもの水が沸きで、地元の方々はその水を農業用水として利用しています。

金峰山湧水群
南阿蘇村湧水群(南阿蘇村)

 昭和60年の名水百選に選定されている白川水源以外にも、南阿蘇村には数多くの水源があります。今回「平成の名水百選」として選定されたのは10ヶ所の湧水地になります。
写真は「竹崎水源」で、「ここは水源地というより地中から流れ出す川と呼んだほうがよい」と案内に記載されています。いたるところから毎分120トン、1日当り17万2千トンという膨大な量が湧水し、この豊富な水量は水田350町歩に灌漑用水として利用されています。
近くにある吉田城址の周りには、吉田城御献上汲場や明神池名水公園などもあり、現在でも近辺の民家へ飲料水として使用されています。

南阿蘇村湧水群
六嘉湧水群/浮島(嘉島町)

六嘉湧水群・浮島は、阿蘇外輪山西麓で貯留された地下水が流出しているものです。六嘉地区には13ヶ所もの湧水があり、特に「浮島」は、日に13万トンもの湧水量があり、周辺の灌漑用水としても重要な役割を担っています。
池の一角にある浮島神社は、長保3年(1001年)に創建された由緒ある神社で、池に浮かんでいるように見えることから「浮島さん」と地域で呼ばれ親しまれています。池は7000坪もの広さがあり、ため池百選にも選ばれています。

浮島