高森湧水トンネル(たかもりゆうすいとんねる)所在地:阿蘇郡高森町

高森湧水トンネル(たかもりゆうすいとんねる)所在地:阿蘇郡高森町

阿蘇五岳の南麓に広がる高森町は、熊本県の白川、宮崎県の五ヶ瀬川、大分県の大野川、3県に流れる川の最上流域にあたり、分水嶺(ぶんすいれい)を有する水源地域です。

高森湧水トンネルは、熊本から延岡をつなぐ九州横断鉄道として建設されていました。

明治29年に軍事産業路線のため、鉄道敷設の話が持ち上がり、その後、戦争などで一時中断をしましたが、昭和37年高森線・高千穂線間で建設が決定、昭和48年高森トンネルの工事が始まりました。ところが、昭和50年トンネルの入り口から約2キロの坑内で地下水の水脈を切断。毎分36トンの大量出水がおこり、その影響から8ヶ所の湧水が枯れ、1000戸余りで断水が発生しました。

そのため工事は中断し、昭和50年の日本国有鉄道再建法案成立後、高千穂新線建設の計画自体が廃止されました。

事故から約20年を経て、トンネル及び周辺を親水公園として開放する事業がなされ、現在は入口より550mが一般に開放されています。

夏は「湧水トンネル七夕まつり」、冬には「湧水トンネルクリスマスファンタジー」とトンネル内での水と光の美しさを見に、多くの方が訪れています。※毎年12月末まで、ツリー展示が行われています。