浄化槽に関する「法定検査」のFAQ

水質検査を受ける義務もあるようですが

浄化槽法では、浄化槽管理者は「水質に関する検査」を受けなければならないことになっています。
浄化槽が適正に維持管理され、本来の浄化機能が十分に発揮されているかどうかを、この法定検査で確認するわけですから、大変重要な検査です。
これらの検査は「浄化槽法」に定められていることから、法定検査と呼びますが、浄化槽を使い始めてから3ヵ月経過してから5ヵ月以内に行う「設置後等の水質検査」(7条検査)と、その後、毎年1回定期的に行う「定期検査」(11条検査)があります。

水質検査を行う人は、だまっていても来てくれますか

環境省から都道府県知事・政令市(保健所を設置している市)市長宛の通知によると「浄化槽の水質に関する検査は、当該浄化槽の管理者から検査の依頼があったときに速やかに行うものとすること」とあります。
つまり、この水質検査は、浄化槽管理者であるあなた自身が依頼することとなっています。
なお、検査を依頼する検査機関は、地元の知事が指定した「指定検査機関」に申し込むことになります。
詳しくは、地元市町村・保健所の浄化槽担当課、または浄化槽協会へ問い合わせてください。

水質検査とはどんなことを行うのですか

検査の項目を表にしてにまとめてみました。 

浄化槽設置後の水質検査定期検査
検査の
時期
使用開始後、
3ヵ月経過してから5ヵ月以内
年1回
外観
検査
設置状況、
設備の稼動状況、
水の流れ方の状況、
使用の状況、
悪臭発生状況、
消毒の実施状況、
か、はえ等の発生状況
設置状況、
設備の稼動状況、
水の流れ方の状況、
使用の状況、
悪臭発生状況、
消毒の実施状況、
か、はえ等の発生状況
水質
検査
水素イオン濃度(pH)、
汚泥沈殿率、
溶存酸素量、
透視度、
塩素イオン濃度、
残留塩素濃度、
生物化学的酸素要求量(BOD)
水素イオン濃度(pH)、
溶存酸素量、
透視度、
残留塩素濃度、
生物化学的酸素要求量(BOD)
書類
検査
使用開始直前に行った保守点検の記録等を参考とし、適正に設置されているか否か等について検査を実施。保存されている保守点検と清掃の記録、前回検査の記録等を参考とし、保守点検及び清掃が適正に実施されているか否かについて検査を実施。

水質検査を受けた後、「不適正」の通知を受けましたが、どうしたらいいでしょうか

指定検査機関から浄化槽管理者へ提出される、検査結果書には1)適正、2)おおむね適正、3)不適正の3段階の判定が記載されます。
このうち「不適正」の判定が記載されている場合には、検査結果書にしたがって工事業者や保守点検業者に相談し、速やかに適切な措置をしなければなりません。その際には、保健所、関係市町村等からの指導がありますので、まずはそれに従って改善を行ってください。

法定検査は絶対に受けないとだめですか

法定検査は、公共用水域の水質保全を図るため、保守点検や清掃と共に浄化槽管理者に課せられた重要な義務になります。
もし受検を拒否される場合は、浄化槽法により行政から受検指導・勧告・命令と発することができるようになっております。また命令に従わない場合は、罰則が適用されることがあります。管理者の皆様には、ご理解の上、受検いただくようお願いいたします。

どこから住所等の情報を入手したのですか

浄化槽の設置工事を行う際には、事前に行政機関への浄化槽設置届出書の提出が必要です。行政機関への届出には、既に浄化槽法定検査の申し込みが事前にされていることが書類提出の必要条件となっております。この届出書を基に浄化槽台帳が作成され、その情報に基づいて公益社団法人熊本県浄化槽協会より検査員がうかがい検査を実施しております。

年に数日しか使用しないのですが、検査は必要ですか

日頃、使用が少ない場合も浄化槽は廃止をするまでは維持管理(保守点検・清掃・法定検査)を実施しなければなりません。
使用しないからと、送風機(ブロワ)などの電源を勝手に切ると、槽内の好気性微生物が働きを弱めたり、死滅してしまったりします。
もし、長期間使用しない場合は、保守点検業者に一度ご相談ください。

水質検査のBODが超えていたら

法定検査の結果は、外観検査、水質検査及び書類検査の結果から総合的に判断されますので、BODの値が処理性能を超えていたからといって直ぐに(ハ)「不適正」とはなりませんが、BODは浄化槽の状態を計るのには重要な指標です。

BODの値が処理性能を超える原因としては

  1. 送風機等の機器の故障、
  2. 槽内に汚泥やスカムが多く溜まっており清掃を要する場合、
  3. 使用過多や油脂類の流入が多い場合、
  4. 疾病や服薬等の影響等が考えられます。

保守点検業者に相談してください。