健全な水循環(水辺地)水辺地保全への貢献

水辺地保全への貢献

平井校区元気づくり委員会(荒尾市)

平井校区は、江戸時代には肥後と筑後の藩境で岩本番所(関所)がおかれた交通の要衝でした。
関川が流れる岩本は、県重要文化財である眼鏡橋(岩本橋)があり、周辺は公園化されています。
平井校区元気づくり委員会は、
 「岩本橋を美しく、にぎやかにしよう」
 「自然を守り、生かそう」
 「みんなの居場所とふれあいの場をつくろう」
 「平井校区の宝物を探して、伝えよう」
を柱に、平成16年に地域の方々により設立されました。その活動の一つが「ホタルの里づくり」です。

平井校区元気づくり委員会(荒尾市)

特に、関川支流の冷水川においては、ホタルの発生状況、植生、水生生物、水質調査を行うと共に川の清掃、上陸地の手入れ、カワニナの増殖などを行っており、ホタルも増えてきています。
毎年開催しているホタル鑑賞会では、沢山のゲンジホタルの乱舞が見られ、幻想的な情景は見学者を魅了してやみません。

平井校区元気づくり委員会(荒尾市)蛍

※蛍が飛んでいる様子。赤い枠内や、緑色に見える部分です。

また、地元の環境保全意識の高揚や浄化槽の設置・普及に伴い、水質の改善による相乗効果も生まれています。他にも、耕作放棄地へのコスモスの植栽や、道路花壇に花苗の植栽などの環境整備を行い、住みよいまちづくりを目指し活動をされています。

下名連石自治振興会(山都町)

下名連石自治振興会(山都町)

緑川の上流域に辺る下名連石地区は、汚水による下流の漁獲量の減少をうけ、平成10年から14年の5ヵ年で小型合併処理浄化槽による面的整備で全体の8割まで汚水整備率を上げられました。
そのような中、自治振興会は、平成11年に設立され、「自分達の地域は自分達でつくる」という目的を基に、地域活動を行われています。

下名連石自治振興会(山都町)

平成15年からは年に2回、五老ケ滝川の除草作業や清掃活動を実施され、また、平成17年には「くまもとマイ・リバー・サポート」にも参加されるなど、よりいっそうの美化活動に取り組まれています。
そのような活動が認められ、地域環境保全や環境美化に功績がある団体として、肥後の水資源愛護賞や環境大臣からの地域環境美化功績者表彰のほか、国土交通大臣表彰も受賞されました。

平成19年度からは子供達と一緒に「くまもと・みんなの川と海づくり県民運動」の一環として河川の水質調査も行われており、現在は水質浄化のため、広葉樹を植える活動もされています。
小学生やみどりの少年団等による、丸山公園での広葉樹の植栽も行っており、水源涵養にも貢献されています。

横居木地区公民館(葦北郡芦北町)

芦北町の東部、標高260mの中山間地にある横居木地区は、球磨川の支流である横居木川、吉尾川の上流に位置しています。
全国で最初に「浄化槽市町村整備推進事業」をはじめた地区で、美しい環境づくりに対して、住民の方々の意識が高い地区になります。

推進事業稼動前にも既に45戸中7戸が個人で浄化槽を設置されていましたが、推進事業導入により積極的に設置したいとの希望が相次いだ結果、45戸中42戸(平成18年8月現在)で浄化槽の設置が行われました。
浄化槽の設置に加え、上水道の整備や河川の美化活動等も通じ、横居木川や吉尾川は昭和初期から中頃のきれいな水が流れるようになり、水生生物も徐々に見られるようになったそうです。

熊本県の「ほたるの里」百選に指定されていて、平成18年3月7日に、一番ぼたるの観測史上、最も早くゲンジボタルが出現としました。
横居木地区の下流、吉尾川でも3月22日にほたるの遡上が確認されました。

横居木地区公民館(葦北郡芦北町)

※蛍が飛んでいる様子(資料提供:芦北町)

地区の方々は、「美しい心づくり」「美しい身体づくり」「美しい環境づくり」「美しい産品づくり」を共通目標に活動されています。

横居木地区公民館(葦北郡芦北町)

※清掃活動の写真(資料提供:芦北町)