アイラトビカズラ(あいらとびかずら)所在地:山鹿市

トビカズラの花

山鹿市には、国指定特別天然記念物で有名なアイラトビカズラが自生しています。学名をムクナ・センペルビーレンス(中国名を常春油麻藤)といい、マメ科つる性の常緑木本です。
樹齢は約1000年と推定され、日本国内でも貴重な植物とされています。
(現在、山鹿市菊鹿町相良地区以外に長崎県九十九島と熊本県天草市倉岳町棚底でも確認されています)
トビカズラには「その昔源平合戦の頃、平家残党が相良寺に立て籠り、これを源氏方武将緒方三郎が焼き討ちをした時、千手観音がこのカズラに飛び移り難を逃れた」、「千手観音がカズラに姿をかえ飛来し、緒方三郎の馬の足にからみつき落馬させ、残兵が討ち取った」という2つの伝説があります。
古来優曇華と呼ばれ「霊華時を隔てて開花することあり。開花すれば必ず国家的事変がある。」といわれ、昭和4年に35年ぶりに開花した時には翌年に満州事変が勃発しています。仏教では、3000年に1度の開花時に金輪王が出現するといい、如来がこの世に現れるともいわれています。
それほどめずらしい花ですが、ここ山鹿では毎年4月下旬から5月上旬にかけ暗紫色の房状の花をまるでブドウの房のように咲かせています。