氷川町の宮原振興局付近は、のんびりと景観を見ながら散歩が楽しめる場所があります。
振興局前の旧井芹銀行は県下有数の地主であった井芹康也氏が1918年(大正7年)に九州実業銀行を買収して設立しました。
1925年(大正14年)には本店の建設も行われ、建物は鉄筋コンクリート造りの2階建てで、外観は玄関庇廻・柱頭・屋上パラペット中央部・窓廻りなどに幾何学的な装飾がみられる県内では7番目に古いコンクリート構造物となります。
後年、肥後銀行に合併されましたが、この建物は1969年(昭和44年)まで支店として使用され、現在は地元住民の交流の場となっています。
その隣には旧井芹家住宅があり、井芹家より分家した井芹三志氏の新宅です。創建年度は不明ですが、敷地内の宝蔵解体の際に「天保3年(1832年)」の墨書きが見つかったことから、この頃の建物と考えられています。
また住宅北側の境界には、煉瓦をオランダ積みにした防火壁も見ることができます。
振興局横と水路沿いは整備され、ベンチで休憩しながら、鯉が泳ぐ姿も楽しめます。